花の香り
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すん、と花の奥をくすぐった香り。目で追うと、そこに二人の女性。
「んっ、み、見えないっ……!」
「秋田さんと、射谷さん、でしょうか?」
隣を歩くaki君が、遠慮がちに教えてくれる。私は「ああ……」と柔らかく笑みをこぼす。
「なーに見てるんですかっ?」
無遠慮に近づくと、二人は最初、キョトンとしていた。けれど私のプレートを見ると、やっぱり微笑んでくれた。そして左の人が得意気にスマホを掲げ、
「見て!」と。
「かわいいですよね」というのは隣の女性ーーイニシャル「I」、射谷友里さんだ。もう一人はというと、秋田柴子さん。二人は秋田さんの愛犬の画像を見ていたのだ。
「画像だけじゃないわよー……ーーじゃんっ!!」
やっぱり得意気に見せられたのは、わんちゃんたちの動画。「かっ、かわいいー……っ!」
思わず出る、黄色い声。私たちは、すぐに打ち解けた。また、助けられた。そんな気がした。
「んっ、み、見えないっ……!」
「秋田さんと、射谷さん、でしょうか?」
隣を歩くaki君が、遠慮がちに教えてくれる。私は「ああ……」と柔らかく笑みをこぼす。
「なーに見てるんですかっ?」
無遠慮に近づくと、二人は最初、キョトンとしていた。けれど私のプレートを見ると、やっぱり微笑んでくれた。そして左の人が得意気にスマホを掲げ、
「見て!」と。
「かわいいですよね」というのは隣の女性ーーイニシャル「I」、射谷友里さんだ。もう一人はというと、秋田柴子さん。二人は秋田さんの愛犬の画像を見ていたのだ。
「画像だけじゃないわよー……ーーじゃんっ!!」
やっぱり得意気に見せられたのは、わんちゃんたちの動画。「かっ、かわいいー……っ!」
思わず出る、黄色い声。私たちは、すぐに打ち解けた。また、助けられた。そんな気がした。
青春
公開:21/08/08 14:16
更新:21/08/08 14:19
更新:21/08/08 14:19
秋田柴子さん
射谷友里さん
ssg物語⑥
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