6
4

すん、と花の奥をくすぐった香り。目で追うと、そこに二人の女性。  
「んっ、み、見えないっ……!」
「秋田さんと、射谷さん、でしょうか?」 
隣を歩くaki君が、遠慮がちに教えてくれる。私は「ああ……」と柔らかく笑みをこぼす。 
「なーに見てるんですかっ?」 
無遠慮に近づくと、二人は最初、キョトンとしていた。けれど私のプレートを見ると、やっぱり微笑んでくれた。そして左の人が得意気にスマホを掲げ、 
「見て!」と。
「かわいいですよね」というのは隣の女性ーーイニシャル「I」、射谷友里さんだ。もう一人はというと、秋田柴子さん。二人は秋田さんの愛犬の画像を見ていたのだ。 
「画像だけじゃないわよー……ーーじゃんっ!!」 
やっぱり得意気に見せられたのは、わんちゃんたちの動画。「かっ、かわいいー……っ!」 
思わず出る、黄色い声。私たちは、すぐに打ち解けた。また、助けられた。そんな気がした。
青春
公開:21/08/08 14:16
更新:21/08/08 14:19
秋田柴子さん 射谷友里さん ssg物語⑥

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容