新居
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正直な話、我が家は父と祖父が建てた。理由は、まあ、各々で考えてほしいところだが、とにかく、私はそんな家に住んでいた。普通、家を建てるときや物を配置するときは、風水なんかを気にする。皆がそうではないだろうけど。ところがじいちゃんはそんなことは気にしなかった。だけど、謎にこだわりを積めているらしかった。
「この家はなあ、いい家だぞ」
「どう、いい家なの?」
聞くと、しっ、と人差し指を口に当てられた。
「これでよし」
テレビ台に、小さな家のオブジェが二つ、並んで配置された。金色の屋根の、北欧風の家。銀色の屋根の、平屋の日本家屋。
「ねえ、じいちゃん。それなあに……あっ」
突然現れ、オブジェの家に入っていく女の子。赤い着物に黄色い帯のその子は、金色の屋根の北欧風の家に入っていった。
「これで、新生活スタートじゃ」
それは、座敷わらしの家だった。
「この家はなあ、いい家だぞ」
「どう、いい家なの?」
聞くと、しっ、と人差し指を口に当てられた。
「これでよし」
テレビ台に、小さな家のオブジェが二つ、並んで配置された。金色の屋根の、北欧風の家。銀色の屋根の、平屋の日本家屋。
「ねえ、じいちゃん。それなあに……あっ」
突然現れ、オブジェの家に入っていく女の子。赤い着物に黄色い帯のその子は、金色の屋根の北欧風の家に入っていった。
「これで、新生活スタートじゃ」
それは、座敷わらしの家だった。
公開:21/08/07 16:49
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