がんばり屋

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うちは、祖父の代から続くがんばり屋だ。
将来、僕が継ぐことが決まっている。

がんばり屋の仕事は、要するに便利屋だ。
誰かの代わりに頑張ってその仕事をする。

厳しい修行の毎日で、ある日僕は過労で倒れて、ひと月入院することになってしまった。
がんばり屋ががんばりすぎて倒れるなんて、笑えない。
早く元気にならなければとがんばっていると、祖父がお見舞いに来てくれた。
「がんばらないことを、がんばれ」
それだけ言うと、祖父は帰っていった。

あることに気づいた僕は。退院してすぐ、古い機材を入れ替えた。
仕組みを整え、やり方を全て、祖父に教えてもらったものから現代のやり方に変えてみた。
まるで、店をアップデートしているようだった。
それを見て、祖父が笑顔で言った。
「ワシの時代のがんばりと、今のがんばりは違う。しかしその本質は同じなのだよ。どれ、ようやく店を任せられそうじゃな」
公開:21/08/04 09:27

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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