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この島に来て以来、朝の散歩が日課になっていた。
海岸には、世界中の「失せ物」が流れ着く。それを見るのが楽しみだった。
海に沿った道を、海風に吹かれながら進んでいく。
と、唐突に「それ」が目に入った。横倒しになった雑居ビルが。
どこかで見た気がした。砂地に降り、ビルの周りを歩いてみる。
やがて気づいた。これは、私がかつて働いていた会社のビルだ。
と、散歩仲間の老人が今日もやってきた。
「この建物は、役目を終えたということですな」
そう言って、ビルの壁をぽんぽんと撫でた。
私もそれにならうと、記憶がフラッシュバックした。
遠い昔のようで、つい先日のことだ。
力強く昇る朝日が、ビルを照らしている。
かつては満員のホームから見た景色。
今は、違う思いでこれを見ている。変わったのは、私だ。
「片付けますかね」
私の言葉に、老人が頷く。今日の仕事が決まった。
海岸には、世界中の「失せ物」が流れ着く。それを見るのが楽しみだった。
海に沿った道を、海風に吹かれながら進んでいく。
と、唐突に「それ」が目に入った。横倒しになった雑居ビルが。
どこかで見た気がした。砂地に降り、ビルの周りを歩いてみる。
やがて気づいた。これは、私がかつて働いていた会社のビルだ。
と、散歩仲間の老人が今日もやってきた。
「この建物は、役目を終えたということですな」
そう言って、ビルの壁をぽんぽんと撫でた。
私もそれにならうと、記憶がフラッシュバックした。
遠い昔のようで、つい先日のことだ。
力強く昇る朝日が、ビルを照らしている。
かつては満員のホームから見た景色。
今は、違う思いでこれを見ている。変わったのは、私だ。
「片付けますかね」
私の言葉に、老人が頷く。今日の仕事が決まった。
ファンタジー
公開:21/11/10 09:24
更新:21/11/10 09:37
更新:21/11/10 09:37
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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