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人事異動で、北の町から東京に戻ることになった。
三年間、毎日のように乗り回していた営業車とも、今日でお別れだ。
夕方、得意先への異動の挨拶回りを終え、地下駐車場に車をとめた。ボンネットに手を当てると、ほんのりと暖かさが伝わってきた。
「ありがとう」思わず小さくつぶやいていた。
ボンネットの下から、ちりちりと音がしたような気がした。
三年間、毎日のように乗り回していた営業車とも、今日でお別れだ。
夕方、得意先への異動の挨拶回りを終え、地下駐車場に車をとめた。ボンネットに手を当てると、ほんのりと暖かさが伝わってきた。
「ありがとう」思わず小さくつぶやいていた。
ボンネットの下から、ちりちりと音がしたような気がした。
その他
公開:21/09/20 09:04
更新:22/08/08 21:44
更新:22/08/08 21:44
冷たい夜、漆黒の空に浮かぶ細い三日月を見上げながら、そっと考えてみる。
語れば語るほど、伝えたいはずの思いが遠ざかっていくのは、なぜだろうか。
うわべだけの安直な言葉や表現は、輝き始めた世界を色のない平板な景色に一変させ、萌芽しかけた感動を薄っぺらで陳腐な絵姿に貶めてしまう。
想いは、伝えるのではなく、感じさせるもの。ありふれたシンプルな言葉で、暗く、苦く、美しい物語を紡いでいきたい。
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