昆虫採集アプリ
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「今日は昆虫採集をするからね。邪魔しないでね!」
冬也が嬉しそうに言う。私は「ハイハイ」と返事をしつつ、向かいの主人と目配せする。
(はあ……)
昔は昆虫採集というと、森や林に行くものだった。それが今はどうだ。簡単に昆虫採集ができるというアプリ、つまりゲームがあるらしいではないか。おかげでうちの子は毎日ゲーム三昧。友達も呼ぶからお菓子食べ放題。さらには採集した虫は死なないから、いっこうに命の大切さを学ばない。ほんと、いいことなんてない。
そんなある日、ゲーム開発をしている夫が、「冬也のこと、まかせとけ」と言って会社に行った。帰って来たときには、なんと昆虫採集の新しいディスクを持っていた。早速一緒に遊ぶ二人。
気が付くと、私はソファーに横になっていた。
「あれ?私……」
「ママ、ごめんなさい」
顔を出す冬也。その手に持っていたのは、カブトムシの死骸だった。
冬也が嬉しそうに言う。私は「ハイハイ」と返事をしつつ、向かいの主人と目配せする。
(はあ……)
昔は昆虫採集というと、森や林に行くものだった。それが今はどうだ。簡単に昆虫採集ができるというアプリ、つまりゲームがあるらしいではないか。おかげでうちの子は毎日ゲーム三昧。友達も呼ぶからお菓子食べ放題。さらには採集した虫は死なないから、いっこうに命の大切さを学ばない。ほんと、いいことなんてない。
そんなある日、ゲーム開発をしている夫が、「冬也のこと、まかせとけ」と言って会社に行った。帰って来たときには、なんと昆虫採集の新しいディスクを持っていた。早速一緒に遊ぶ二人。
気が付くと、私はソファーに横になっていた。
「あれ?私……」
「ママ、ごめんなさい」
顔を出す冬也。その手に持っていたのは、カブトムシの死骸だった。
その他
公開:21/07/28 13:55
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