魂が見える話

4
1

僕はいつも見ていた。彼女の目が血走っているのを。 
僕はいつも見ていた。彼女が頑張りすぎているのを。 
僕はいつも、手を伸ばしてた。彼女の脳天に見える煙色の魂を。 
目が血走っている彼女。 
頑張りすぎている彼女。 
いいや、そんな彼女を見たかったんじゃない。 
僕はただ、彼女を見たかった。僕に気づいてくれることを、切に願いながら。だから、手元がおろそかになったんだ。だからーーだから。
救えなかったんだ。愛しい彼女を。
その他
公開:21/07/27 17:33

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容