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湖の畔に独り    
そうして今日も 暮れていく日  
待つと決めたその瞬間から、心に穴が、穴に風が 風はとても冷たくて痛むほどに冷たくて 暫し咳き込み、胸を押さえる  
ぽちゃぽちゃと、湖が鳴く。さよさよと、梢が揺れる  
「お夕飯を、食べてゆきなさい」 
 振り向くと、あの司祭様。目を転じると、熱いスープ。ーーパンも添えて 
「おいしい……」 
一口含んで、私はつぶやく。待つのです、司祭様は言う。 
「待つのです、辛抱強く。信じるのです、光の乙女を」 
「光の乙女?」 
 ええ、と。彼は無言で、うなずいた。私は一筋、涙をこぼした。 
楠が一筋、光をこぼした。
公開:21/07/25 20:49

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