愛がないから

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味がない、彼女がぼやく。それはそうだと、僕は思う。彼女の料理に味がないのは、愛する人が、もういないから。自分で自分に作る料理は、いつもどこか、味気ない。愛がない。 
「知ってる?さしすせそ、って順番間違ったら、もう台無しなんだって!」 
 ハッ、とした。そ、そうなのか、知らなかったーーえ? 
 足音が聞こえる。やがて止まる。 
 ダンッ! 
「ヒッ」 
 彼女の足音。怒っている?やはり盗聴が…… 
「早く出てきなさいよ!毎朝こそこそ、味変えてないで!ーー一緒に食べよ?」 
 僕は、床下収納から出てきた。
その他
公開:21/07/23 15:37

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