愛がないから
2
2
味がない、彼女がぼやく。それはそうだと、僕は思う。彼女の料理に味がないのは、愛する人が、もういないから。自分で自分に作る料理は、いつもどこか、味気ない。愛がない。
「知ってる?さしすせそ、って順番間違ったら、もう台無しなんだって!」
ハッ、とした。そ、そうなのか、知らなかったーーえ?
足音が聞こえる。やがて止まる。
ダンッ!
「ヒッ」
彼女の足音。怒っている?やはり盗聴が……
「早く出てきなさいよ!毎朝こそこそ、味変えてないで!ーー一緒に食べよ?」
僕は、床下収納から出てきた。
「知ってる?さしすせそ、って順番間違ったら、もう台無しなんだって!」
ハッ、とした。そ、そうなのか、知らなかったーーえ?
足音が聞こえる。やがて止まる。
ダンッ!
「ヒッ」
彼女の足音。怒っている?やはり盗聴が……
「早く出てきなさいよ!毎朝こそこそ、味変えてないで!ーー一緒に食べよ?」
僕は、床下収納から出てきた。
その他
公開:21/07/23 15:37
ログインするとコメントを投稿できます