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彼女はいつも、笑ってた。彼女はときどき、泣いていた。彼女はいつも、踊ってた。それで毎回、怪我をしていた。  
 彼女はときどき、雪を嘗めた。彼女はいつも、凍えてた。  
 彼女はときどき、本を読んでた。 
彼女はいつも、僕の本を……。 
 ああ、神よ!彼女の「いつも」が、終わっていく。彼女の「ときどき」も、終わっていくのだ。 
 遠い昔、僕は彼女を、救えなかった。それがこの世の定めだと、そう思っていたのだ。 
 だけど、違う!人を救ってはいけない世界など、あってなるものか! 
ああ!神よ!どんな罰でも甘んじて受けよう!私に彼女を、助けさせてくれ!彼女のかわりに、この私を……! 
 
私は目覚めた。赤ん坊の声で。赤ん坊は、私の子。私がおなかを痛めて産んだ子。だけど、あれ?この子、どこかで……遠い昔に……
その他
公開:21/07/22 23:32

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