河童の流しそうめん

3
6

「ああ、あそこのそうめんはやめときな。おっそろしいもんが見えるから」 
「知ってます。それでも行きたいのです。道を教えてください」 
 こうして僕は、泳ぎが上手くなるという流しそうめんの店にやって来ました。 
「あ、来た来た!そうめんそうめん!」 
 僕はちょっとずるをしました。そうめんを流す竹にもう箸をおいていたのです。
「つかめた!」 
と、その時です。見てしまいました。そうめんの断面に、金太郎飴のように河童がいることを。河童は言いました。 
「ずるしたな」 
 そうめんを落とした僕は、オリンピック金メダルを逃してしまったのです。
その他
公開:21/07/18 08:25

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容