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夏の朝早く。暑さで目が覚めてしまい、散歩に出かけた。
商店街を抜け、海の見える道まで歩く。
ぬるい風に吹かれながら海を眺めていると、どぉんという大きな音がした。
海の一部が間欠泉のように盛り上がる。音のした方へと走った。
砂浜に、巨大な帽子を被った男が立っていた。
帽子のてっぺんに、ツマミがついていた。
近づくと、男は頭をかき、お騒がせしてスミマセン、と告げた。
直径5メートルを超える帽子は、周囲の音量を調整できるという。
ただ、吸収した音のエネルギーが溜まるので、海に捨てているというのだ。
このエネルギーを有効活用できないかなと思い、2人で話し始めた。
だが、様子がおかしい。
男は話しているのだが、こちらの発言には答えてくれない。話がズレる。
聞いてくれていないのか、小首をかしげると、男が言った。
「失礼。いつもの癖でミュートしてました」
商店街を抜け、海の見える道まで歩く。
ぬるい風に吹かれながら海を眺めていると、どぉんという大きな音がした。
海の一部が間欠泉のように盛り上がる。音のした方へと走った。
砂浜に、巨大な帽子を被った男が立っていた。
帽子のてっぺんに、ツマミがついていた。
近づくと、男は頭をかき、お騒がせしてスミマセン、と告げた。
直径5メートルを超える帽子は、周囲の音量を調整できるという。
ただ、吸収した音のエネルギーが溜まるので、海に捨てているというのだ。
このエネルギーを有効活用できないかなと思い、2人で話し始めた。
だが、様子がおかしい。
男は話しているのだが、こちらの発言には答えてくれない。話がズレる。
聞いてくれていないのか、小首をかしげると、男が言った。
「失礼。いつもの癖でミュートしてました」
ファンタジー
公開:21/07/14 09:26
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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