七夕の野望

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七夕は焦っていた。もう自分は祝日になるべきだろうと考えていた。平安時代には五節句であった七夕である。元日には敵わぬとも子供の日に後れを取る事はない。ましてや雛祭りと同格の平日である事は我慢ならなかった。
そんな七夕の野心を察したか、声を掛けたのは体育の日であった。
「晴れれば良いんですよ」と体育の日は言った。「七夕はいつも晴。そうすれば有難さも上がりますよ」
成程と思った七夕は、短冊の代わりにテルテル坊主をぶら下げる事にした。銀河を思わせる星の飾りも付けた。笹の天辺に太陽の飾りを付けて、夜でも目立つ様に豆電球も付けた。飾りは竹をしならせる程に重くなったが、これも祝日になるためと思って七夕は耐えた。
迎えた7月7日。飾りの甲斐なく雨降りだった。しかし突然の梅雨冷によって雨が雪に変わった。雪は止めどなく降り、笹は真っ白になった。そして七夕は気付いた。
自分がクリスマスツリーそっくりである事に。
ファンタジー
公開:21/07/07 22:52
更新:21/07/07 23:41
七夕祭り

北澤奇実

慌てて書きましたが、七夕祭りに間に合いました!

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