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桜の中で生まれた君は
芽吹く青葉に勢い深め
落ち葉舞う季節に別れ
降る深雪に思いは募り
そしてまた季節は巡る
月日を重ね彩り移ろい
降る年月に体も年老い
朽ち果て尽きる影遠く
母なる大地に戻り逝く
気がつけば立派な牡鹿となった私は、野山を駆けていた。
最後の記憶はいつだったろう?
思い出すのは、ただ妻の面影のみ。
ああ、このまま獣として生きるのだろうか?
時折おそう人の意識が恐怖を思い起こさせる。
突如、それは雷光とともに現れた。
妻に会いたいか?と、ただ問われた私は、何も言わずに頷いた。
すると、どうだろう。
翌春に、頭にコブができた。
それはむくむくと成長し、立派な枝角が現れた。
川面に移る姿に見入っていると
”あなた…”
愛おしい声が、角から響いた。
妻は今でも私の上で、愛おしい声を響かせている。
春になれば舞い降りて、季節とともに別れゆく。
今は昔の物語。
芽吹く青葉に勢い深め
落ち葉舞う季節に別れ
降る深雪に思いは募り
そしてまた季節は巡る
月日を重ね彩り移ろい
降る年月に体も年老い
朽ち果て尽きる影遠く
母なる大地に戻り逝く
気がつけば立派な牡鹿となった私は、野山を駆けていた。
最後の記憶はいつだったろう?
思い出すのは、ただ妻の面影のみ。
ああ、このまま獣として生きるのだろうか?
時折おそう人の意識が恐怖を思い起こさせる。
突如、それは雷光とともに現れた。
妻に会いたいか?と、ただ問われた私は、何も言わずに頷いた。
すると、どうだろう。
翌春に、頭にコブができた。
それはむくむくと成長し、立派な枝角が現れた。
川面に移る姿に見入っていると
”あなた…”
愛おしい声が、角から響いた。
妻は今でも私の上で、愛おしい声を響かせている。
春になれば舞い降りて、季節とともに別れゆく。
今は昔の物語。
ファンタジー
公開:21/06/15 18:00
更新:21/06/15 18:33
更新:21/06/15 18:33
#太陽物語
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)
さぁさ! もの語りをはじめよう
400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と
明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン
垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る
さぁさ! もの語りが始まるよ!
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