ラッキーモンキーお貸しします

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近所に「ラッキーモンキーお貸しします」という不思議なのぼり旗が立つ店を見つけた。中に入ってみる。
「ようこそ。ラッキーモンキーレンタルですね?」
女性店員が笑顔で言う。その勢いに思わず頷いてしまった。
「期限は一週間。ご返却の際はこちらにモンキーをお連れ下さい」
店員の肩に乗っていた金色の毛をした子猿が私の肩に飛び移った。
「これで運気アップです!」
何だか分からないまま店を出た。肩の子猿がキイと鳴いた。

一週間が経ったが特に何も起きなかった。店に行くと私は言った。
「運の良いことなんて何も起きなかったんですけど」
「お見せします」
店員は子猿の首輪についた小型カメラの録画を再生した。するとモンキーが私の落とし物を拾ってくれたり、目覚ましを止めて寝過ごす私の耳を引っ張って起こしてくれたり、陰ながら私の身に起こる不運から守ってくれていた。
それ以来、私はラッキーモンキーが手放せなくなった。
ファンタジー
公開:20/12/08 13:00
運のいい話

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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