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母の遺骨を海に撒いたその夜、まだ幼かった私はベッドで泣いていた。やがて青い光の塊が枕元に浮かんで、私の隣に座った。それは母だった。
「どうして私を置いて行っちゃったの?」
泣きじゃくる私の頭を撫でて母は言った。
「生きているものは皆いつかこの世界からお別れしなくてはならないの」
「そんなのイヤ。私はずっとお母さんといたい」
母は私を抱きしめる。すると私の頭の中に母と過ごした日々が次々と蘇った。さらに母が巨大なクジラに姿を変え、深い海の中を泳いでいく。クジラの歌はいつしか母の声に変わっていた。
「私の命はあなたの中で生きているわ。だからこれからもずっと一緒。そうして命は繋がって続いていくの。それがあなたの名前よ、ゆかり。私の大切な命の光」
目が覚めると朝になっていた。私の胸の中には母から授けられた命の温もりがあった。
その命の火は私の中に今も燃え続けている。
そして、愛しい我が子の中にも。
「どうして私を置いて行っちゃったの?」
泣きじゃくる私の頭を撫でて母は言った。
「生きているものは皆いつかこの世界からお別れしなくてはならないの」
「そんなのイヤ。私はずっとお母さんといたい」
母は私を抱きしめる。すると私の頭の中に母と過ごした日々が次々と蘇った。さらに母が巨大なクジラに姿を変え、深い海の中を泳いでいく。クジラの歌はいつしか母の声に変わっていた。
「私の命はあなたの中で生きているわ。だからこれからもずっと一緒。そうして命は繋がって続いていくの。それがあなたの名前よ、ゆかり。私の大切な命の光」
目が覚めると朝になっていた。私の胸の中には母から授けられた命の温もりがあった。
その命の火は私の中に今も燃え続けている。
そして、愛しい我が子の中にも。
ファンタジー
公開:20/10/27 13:00
縁
コンテスト
空想と妄想が趣味です。
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