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白髪の老人が、波打ち際でたたずんでいた。
時間は午後2時、陽光が一番強くなる時間帯だ。
影は足下に小さくまとまり、コントラストの強い風景が拡がっている。
老人の足元には、一匹の白猫がたたずんでいた。
やがて、波がにわかに大きくなってきた。
猫も老人も、足が濡れるのもかまわず、波間を見つめている。
──と、波の間から、黒い塊が飛び出してきた。
老人が破顔する。
同時に、白猫は黒い塊に近づいていった。
塊は、黒い猫だった。
身体を震わせて、身体にまとわりつく海水を吹き飛ばしている。
白猫と黒猫は、嬉しそうにじゃれあいはじめた。
白猫は、尻尾の先端が直角に曲がっていた。
いわゆるかぎ尻尾だ。
いっぽうの黒猫の背中には、鍵穴のような模様があった。
その様子を目を細めて見守る老人が、ぽつりと言った。
「やっと、相方に出会えたんだね」
時間は午後2時、陽光が一番強くなる時間帯だ。
影は足下に小さくまとまり、コントラストの強い風景が拡がっている。
老人の足元には、一匹の白猫がたたずんでいた。
やがて、波がにわかに大きくなってきた。
猫も老人も、足が濡れるのもかまわず、波間を見つめている。
──と、波の間から、黒い塊が飛び出してきた。
老人が破顔する。
同時に、白猫は黒い塊に近づいていった。
塊は、黒い猫だった。
身体を震わせて、身体にまとわりつく海水を吹き飛ばしている。
白猫と黒猫は、嬉しそうにじゃれあいはじめた。
白猫は、尻尾の先端が直角に曲がっていた。
いわゆるかぎ尻尾だ。
いっぽうの黒猫の背中には、鍵穴のような模様があった。
その様子を目を細めて見守る老人が、ぽつりと言った。
「やっと、相方に出会えたんだね」
ファンタジー
公開:20/08/06 13:34
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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