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仕事場のクーラーが故障した。
猛暑で仕事にならないので、急ぎ修理を依頼した。
やってきたのは、神主の衣装に身を包んだ、怪しげな男だった。
電気屋を呼んだはずだがと言うと男は、クーラーを直しに来たという。今年は暑いから、故障が多いと男が言った。
男はすぐに、修理の準備を始めた。
カバンから取り出したのは木の枝、御神酒、魔法陣が書かれた布。工具はひとつも無い。
あっけにとられる俺の前で、男は何故か儀式を始めた。
すると──クーラーから白い煙が出てきて、それが人の形になった。
年の頃は小学生くらいだろうか。
男はその子と話を始めた。声が小さくて聞き取れない。
しばらくして、男はふり返ると、休ませてやってくれと告げた。
いわく、この子は「冷媒」。
熱を運ぶ、いわばクーラーの心臓部だという。
風邪を引いてしまって熱があるのだそうだ。
暖かくして休めば治る、といって男は帰っていった。
猛暑で仕事にならないので、急ぎ修理を依頼した。
やってきたのは、神主の衣装に身を包んだ、怪しげな男だった。
電気屋を呼んだはずだがと言うと男は、クーラーを直しに来たという。今年は暑いから、故障が多いと男が言った。
男はすぐに、修理の準備を始めた。
カバンから取り出したのは木の枝、御神酒、魔法陣が書かれた布。工具はひとつも無い。
あっけにとられる俺の前で、男は何故か儀式を始めた。
すると──クーラーから白い煙が出てきて、それが人の形になった。
年の頃は小学生くらいだろうか。
男はその子と話を始めた。声が小さくて聞き取れない。
しばらくして、男はふり返ると、休ませてやってくれと告げた。
いわく、この子は「冷媒」。
熱を運ぶ、いわばクーラーの心臓部だという。
風邪を引いてしまって熱があるのだそうだ。
暖かくして休めば治る、といって男は帰っていった。
ファンタジー
公開:20/08/05 11:50
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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