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海辺を歩いていたら、砂の中に光るものを見つけた。
掘り起こすと、親指ほどの大きさの透明なカプセルだった。
「ああ、今日も来てましたか」
声に振り向くと、白髪の老人が立っていた。
老人曰く、このカプセルはインターネット上を行き交うデータだという。パケットと呼ばれるそれは、運ばれていく時に行方不明になることがある。そんなパケットが、この海岸に流れ着くのだそうだ。
手にしたカプセルを夕日にかざしてみた。
パソコンの画面の一部を切り取ったような映像が見えた。文字が見える。
誰かに宛てたメールの、一部。その中身に、見覚えがあった。
かつて、気になる先輩に送った、お礼のメールだった。
返事がないので気になっていたけれど、そうか。
届いていなかったのか。
ふり返ると、老人はいなくなっていた。
私はそのカプセルを握りしめ、カバンからスマホを取り出した。
久しぶりに、先輩と話がしてみたくなったから。
掘り起こすと、親指ほどの大きさの透明なカプセルだった。
「ああ、今日も来てましたか」
声に振り向くと、白髪の老人が立っていた。
老人曰く、このカプセルはインターネット上を行き交うデータだという。パケットと呼ばれるそれは、運ばれていく時に行方不明になることがある。そんなパケットが、この海岸に流れ着くのだそうだ。
手にしたカプセルを夕日にかざしてみた。
パソコンの画面の一部を切り取ったような映像が見えた。文字が見える。
誰かに宛てたメールの、一部。その中身に、見覚えがあった。
かつて、気になる先輩に送った、お礼のメールだった。
返事がないので気になっていたけれど、そうか。
届いていなかったのか。
ふり返ると、老人はいなくなっていた。
私はそのカプセルを握りしめ、カバンからスマホを取り出した。
久しぶりに、先輩と話がしてみたくなったから。
ファンタジー
公開:20/07/29 19:00
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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