あ~ん♡チェリー

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「私達、あ~んチェリーの選手になれるよね」
「え? アーチェリー?」
「アーチェリーじゃなくて、あ~んチェリー。一人が投げたサクランボをもう一人が口で受けとめて、二人の間の距離がどれだけ離れているかを競い合う競技のこと」
僕達は曲芸師のカップルだった。たしかにナイフを投げ合うのに比べたらサクランボを口で受けとめるなんて容易い。国際試合を順当に勝ち進み、世界ランク一位になっても彼女と僕の距離は延び続け、ついに地球外へ飛び出した。全世界が見守る中、彼女が月から放ったサクランボを僕が地球上で受けとめることになった。
僕は特殊プロテクターを顔に装着すると空を見上げる。彼女からのサクランボを入れた超小型ポッドが燃える火の玉となって飛んできた。上空でその装甲が燃え尽きると、サクランボが高速で降ってくる。
それを口で受けとめると僕は地面に深くめり込んだ。

会場には巨大なハート型のクレーターが残された。
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公開:20/07/30 12:00
更新:20/08/30 15:20
空想競技 コンテスト

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。
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