『幸運のコイン』
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目が覚めると、そこに妻の泣き顔があった。
「よかった、あなた。意識が戻ったのね。
ねえ見て、このコイン」
妻が見せてくれたのは歪んだ一枚のコイン。
「あなたの胸ポケットに入っていたの。
このコインが銃弾を受け止めてくれたからあなたは助かったのよ。これは幸運のコインね」
微笑む妻に、僕は首を横に振る。
「いいや、そいつは呪われたコインだよ。
銃口は僕の方を向いていなかった。弾がありえない軌道で飛んできたんだ。そいつに向かって」
その瞬間、どこからか放たれた銃弾が、妻の手のコインを正確に弾き飛ばした。
「よかった、あなた。意識が戻ったのね。
ねえ見て、このコイン」
妻が見せてくれたのは歪んだ一枚のコイン。
「あなたの胸ポケットに入っていたの。
このコインが銃弾を受け止めてくれたからあなたは助かったのよ。これは幸運のコインね」
微笑む妻に、僕は首を横に振る。
「いいや、そいつは呪われたコインだよ。
銃口は僕の方を向いていなかった。弾がありえない軌道で飛んできたんだ。そいつに向かって」
その瞬間、どこからか放たれた銃弾が、妻の手のコインを正確に弾き飛ばした。
ホラー
公開:20/09/09 00:50
短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー
目にも止まらぬ遅筆を見よ!
twitterアカウント:hyoro4779
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