空耳ソング
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その男は作曲家だった。だが、このところ深刻なスランプに陥っていて、まったく新しい曲が思い浮かばなかった。
「さて、どうしたものか……」
気分転換に公園へと散歩に出かけ、ベンチにぼんやり腰かけていると、不意に微かな音が響いてきた。最初はただの空耳かと思ったが、間違いない。空の彼方からこれまで聞いたこともない不思議な音色が響いてくるのだった。
「これだ!」
その音を聞いた途端、男は新たな曲のフレーズを口ずさんでいた。ベンチから立ち上がり、思いついた曲を忘れないようにハミングしながら家へと飛んで帰った。
かくして男の新曲は大ヒット。聴くと心が癒されると国境を越えた地球規模のヒットソングになった。
その頃、地球の遥か上空に停泊するUFOの中では宇宙人達が話し合っていた。
「この星に生きる進化した猿達の狂暴性をなくす音波の効果がそろそろ出る頃じゃないか?」
「さて、侵略の準備を進めるとするか」
「さて、どうしたものか……」
気分転換に公園へと散歩に出かけ、ベンチにぼんやり腰かけていると、不意に微かな音が響いてきた。最初はただの空耳かと思ったが、間違いない。空の彼方からこれまで聞いたこともない不思議な音色が響いてくるのだった。
「これだ!」
その音を聞いた途端、男は新たな曲のフレーズを口ずさんでいた。ベンチから立ち上がり、思いついた曲を忘れないようにハミングしながら家へと飛んで帰った。
かくして男の新曲は大ヒット。聴くと心が癒されると国境を越えた地球規模のヒットソングになった。
その頃、地球の遥か上空に停泊するUFOの中では宇宙人達が話し合っていた。
「この星に生きる進化した猿達の狂暴性をなくす音波の効果がそろそろ出る頃じゃないか?」
「さて、侵略の準備を進めるとするか」
SF
公開:20/06/19 07:00
空耳
作曲家
空想と妄想が趣味です。
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