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「ムダ売ります」
そう書かれた看板を見つけたのは、残業を終えて家に向かう途中だった。
明かりが灯っていたので、中に入ってみる。
店は、雑多なものであふれていた。
カセットデッキ、ブラウン管、黒電話など、今は使われなくなったものばかりだ。
眺めていると、奥から白髪の老人がやってきて、告げた。
「あなた、ムダが足りてませんね」
と、ポケットの中でスマホが震えた。
画面を見ると、会社からメールだ。
「なるほど、ちょうどいいものがありますぞ」
老人が持ってきたのは、生きた鳩だった。伝書鳩だという。
私が答えあぐねていると、鳩は私の肩に乗ってひと声ないた。
断り切れず、私は鳩と共に帰宅した。
以来、鳩は、友人や会社に手紙を運んでくれている。
スマホはほとんど、使うことがなくなった。
手間は掛かるけれど、時間に余裕ができた気がする。
ムダも、悪くないのかもしれないと思い始めた。
そう書かれた看板を見つけたのは、残業を終えて家に向かう途中だった。
明かりが灯っていたので、中に入ってみる。
店は、雑多なものであふれていた。
カセットデッキ、ブラウン管、黒電話など、今は使われなくなったものばかりだ。
眺めていると、奥から白髪の老人がやってきて、告げた。
「あなた、ムダが足りてませんね」
と、ポケットの中でスマホが震えた。
画面を見ると、会社からメールだ。
「なるほど、ちょうどいいものがありますぞ」
老人が持ってきたのは、生きた鳩だった。伝書鳩だという。
私が答えあぐねていると、鳩は私の肩に乗ってひと声ないた。
断り切れず、私は鳩と共に帰宅した。
以来、鳩は、友人や会社に手紙を運んでくれている。
スマホはほとんど、使うことがなくなった。
手間は掛かるけれど、時間に余裕ができた気がする。
ムダも、悪くないのかもしれないと思い始めた。
ファンタジー
公開:20/07/20 13:01
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
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