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真夜中の静寂を切り裂くように鋭い馬の蹄の音が響いてきた次の瞬間、外の駐車スペースに白馬がいななき、コンビニの店内に王子様が駆け込んできた。店員としてレジに立っていた私は呆気に取られて王子を見た。彼の手にはガラスの靴が握られている。王子は白い歯を輝かせながら言った。
「とうとう見つけたよ、マイプリンセス。さあ、これを履いて」
「え?」
今ってこういう手の込んだナンパが流行っているのかしら?
「いや、あの、人違いです。私がシンデレラだなんて」
「あら、じゃあ、あたしが履いちゃおうかしら」
隣に立っていた同僚のオバちゃんが私を押しのけてガラスの靴に足を入れてしまった。なんとピッタリだった。
途端にコンビニが宮殿に変わって、ドレスを纏ったシンデレラになったオバちゃんが王子とダンスをし始めた。
「何これ?」
私はいつの間にか二人を見守る警護の兵士になっていた。
嗚呼っ、あのとき、靴を履いていれば!
「とうとう見つけたよ、マイプリンセス。さあ、これを履いて」
「え?」
今ってこういう手の込んだナンパが流行っているのかしら?
「いや、あの、人違いです。私がシンデレラだなんて」
「あら、じゃあ、あたしが履いちゃおうかしら」
隣に立っていた同僚のオバちゃんが私を押しのけてガラスの靴に足を入れてしまった。なんとピッタリだった。
途端にコンビニが宮殿に変わって、ドレスを纏ったシンデレラになったオバちゃんが王子とダンスをし始めた。
「何これ?」
私はいつの間にか二人を見守る警護の兵士になっていた。
嗚呼っ、あのとき、靴を履いていれば!
ファンタジー
公開:20/07/08 07:00
更新:20/07/06 15:28
更新:20/07/06 15:28
真夜中のコンビニ
空想と妄想が趣味です。
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