コンビニ「プリン」
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「よし、ここにしよう」
男はコンビニの看板を見上げた。カタカナで「プリン」と読めた。コンビニにしては変わった名前だ。だが男にそんなことを考えている余裕はなかった。
真夜中の店内に客はいない。男はナイフを取り出すとレジに立つ店長らしき老人に突き付けた。
「金を出せ!」
「いらっしゃい。待ってましたよ」
そう言って老人は自らの制服の上着を脱ぐと男に差し出した。
「さあ、これを着て」
「何を言ってる! 金を出せ! 俺は強盗だぞ!」
「私もかつてはそうでした。あなたのおかげで今夜をもって罪が償われたようですが……50年は長かった。では後を頼みます」
老人は煙のように消えてしまった。
「まさか……」
男がどんなに開けようとしても、自動ドアは鉄の扉のように頑丈に閉じられたままだった。
店の外では一部の消えていた照明が点灯し、欠けていた店の名が闇に浮かび上がった。そこには「プリズン(監獄)」とあった。
男はコンビニの看板を見上げた。カタカナで「プリン」と読めた。コンビニにしては変わった名前だ。だが男にそんなことを考えている余裕はなかった。
真夜中の店内に客はいない。男はナイフを取り出すとレジに立つ店長らしき老人に突き付けた。
「金を出せ!」
「いらっしゃい。待ってましたよ」
そう言って老人は自らの制服の上着を脱ぐと男に差し出した。
「さあ、これを着て」
「何を言ってる! 金を出せ! 俺は強盗だぞ!」
「私もかつてはそうでした。あなたのおかげで今夜をもって罪が償われたようですが……50年は長かった。では後を頼みます」
老人は煙のように消えてしまった。
「まさか……」
男がどんなに開けようとしても、自動ドアは鉄の扉のように頑丈に閉じられたままだった。
店の外では一部の消えていた照明が点灯し、欠けていた店の名が闇に浮かび上がった。そこには「プリズン(監獄)」とあった。
ホラー
公開:20/07/05 07:00
真夜中のコンビニ
空想と妄想が趣味です。
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