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真夜中のコンビニで店番をしていると、サンタクロース姿の老人が入ってきた。今は7月。季節外れも甚だしい。老人は私と目が合うなり言った。
「袋をくれ。あれがないと仕事にならん」
商品を買いもしないで。私は冷たく言った。
「袋は今月から有料ですが」
「金を取るのか? 日本の店では袋はタダと聞いたが」
「それは先月までです」
老人は懐から金の延べ棒を取り出すとレジにゴトリと置いた。
「これでいいか。さっさとよこせ」
老人は私の手から袋を奪うと店の外へ駆け出て行った。
直後に二人の刑事が訪ねてきた。
「ここにサンタが来ませんでしたか?」
「ああ、あの老人なら……」
「本物のサンタクロースです。夏場はクリスマスの資金稼ぎに泥棒をしています。逃げる際に現場に金塊入りの袋を落とすヘマをやらかしましてね。追跡中というわけです」
「それはご苦労様です」
ポケットの中に隠した金の延べ棒を撫でながら私は微笑んだ。
「袋をくれ。あれがないと仕事にならん」
商品を買いもしないで。私は冷たく言った。
「袋は今月から有料ですが」
「金を取るのか? 日本の店では袋はタダと聞いたが」
「それは先月までです」
老人は懐から金の延べ棒を取り出すとレジにゴトリと置いた。
「これでいいか。さっさとよこせ」
老人は私の手から袋を奪うと店の外へ駆け出て行った。
直後に二人の刑事が訪ねてきた。
「ここにサンタが来ませんでしたか?」
「ああ、あの老人なら……」
「本物のサンタクロースです。夏場はクリスマスの資金稼ぎに泥棒をしています。逃げる際に現場に金塊入りの袋を落とすヘマをやらかしましてね。追跡中というわけです」
「それはご苦労様です」
ポケットの中に隠した金の延べ棒を撫でながら私は微笑んだ。
ファンタジー
公開:20/07/02 07:00
真夜中のコンビニ
レジ袋
空想と妄想が趣味です。
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