透明家族

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僕の家族は、変わっている。

お互いがお互いに見えない。でも、他の人からは見えているようで、仕事や買い物には困っていない。
家族全員、僕を含めて透明なのだ。

こうなったのは、僕が小学校2年のときだ。
10年経った今では、この生活にも慣れた。透明でも話しはできるし、触れることもできるから。
父は会社に行き、母はご飯を作って洗濯をして、僕と妹は学校へ出かける。
どこにでもいそうな、ごく普通の家族だと思っていた。

そんな日常が、突然崩れた。また、お互いが見えるようになったのだ。
そこで判明したのは、この10年家事をしていたのは父で、仕事に行っていたのは妹で、母は家事をこなしつつ仕事にも行っていたという。

家族の中の役割は、誰がどれをやってもいい。
父だから、母だからこれをやらなければいけない、なんて決まりもない。
来年大学を卒業する僕は、どんな役割を選ぼうか、まだ迷っている。
SF
公開:20/05/05 01:59

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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