無人島の諭吉

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『ん……ここは?無人…島……?』
辺りを見渡すと人がいないだけで明らかに幾つかの人工物が、そのひとつから妙な機械音
ギーガチャン、ギーガチャン
『これは…諭吉!何これ何これもしかして私大金持ち、ここは私にとって夢の島ね、ずっと見てても飽きないけどやっぱ使わないと』
勝手にどんどん刷られる諭吉を目の当たりにし浮かれる女
しかも裏手には船が一隻停泊してある
大量の諭吉を持ち島を脱出して、早速使ってみると…
「あら、やだよ!もうこのお金は使えないよ
偽札が大量に出回ってね、今は渋沢栄一だよ
あんた今時そんなの持ってると捕まっちゃうわよ」
慌ててその場を立ち去る女
折角得た大金がただの紙くずどころか偽札扱い
急いで処分しようと歩き出したその時、後ろから女を呼び止める声が
振り向くフリをして女はダッシュし、そのまま海へダイブ!
ゴボ…ゴボゴボ……

『ん…ここは……』

ギーガチャン、ギーガチャン
ファンタジー
公開:20/05/03 11:29
秦佐和子さんに朗読してもらいたいショートショート

タカ( 千葉県 )

プチコン2海で『帰海』が優秀作に選出されました
また選んで頂ける様に精進中

生粋の秦佐和子さん推しです

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