ライブ配信な家族

我が家は毎晩1時間、家の中の様子をライブ配信している。居間にカメラを設置し、家族がその前に集ってリアルな家族の日常を中継することで広告収入を得て暮らしているのだ。一家全員というのは稀だったため、再生回数は常に100万回を超えた。が、すぐにマンネリ化して再生数が伸び悩んだ。
そんなある日、父がライブ配信中にテーブルの上に拳銃を置いた。
「これは本物だ。弾丸は一発だけ。これから家族でロシアンルーレットをしよう！」
父の額に汗が光る。このまま広告収入がなくなれば私達は破滅。イチかバチかの賭けに出た。3発目で兄のこめかみを実弾が貫いた。残りは父と母、そして娘である私。次は誰？
この中継によって再生数は爆発的に増え、私達はスターになった。単なるヤラセだと騒ぐ人がいる一方で、誰もが私達家族の行く末を固唾をのんで見守っていた。

私はカメラの前でこめかみに銃口を当て、とびっきりの笑顔で引き金をひいた。