世界平和な家族

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ママがティーポットを手に取ってカップへ紅茶を注いだとき、湯気と一緒に魔神が現れた。家族で朝ごはんを食べていた私達は驚いた。
「我はポットの魔神。お前達の願い事を何でも一つだけ叶えてやろう」
「じゃあ、私は不老不死かしら」とママが微笑む。
「俺はとりあえずカネだな」とパパがニヤリ。
「やっぱり世界平和でしょ。今も世界には争いの絶えない国があるわ。地球温暖化や環境破壊も酷くなる一方だし……この星で暮らす全ての生き物が平和に暮らせることが一番の願いじゃないかな」と熱く語った私を母が褒める。
「さすが私の娘ね。それに引き換え、パパの情けないこと」
「わ、私だって世界平和を願っていたさ。さっきのは冗談だよ」
「では、願い事は世界平和でよいのだな?」
魔神の問いかけに私達は頷いた。
「願いを叶えてやろう!」
魔神が指をパチンと弾いた。
その瞬間、私達家族も含め、この地球上から全人類が煙のように消えた。
ファンタジー
公開:20/04/14 12:38
〇〇家族 コンテスト 隕石家族

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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