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雲介兄さんのいつもの雲隠れのせいで、我が家の食卓の上空には暗雲が垂れこめ、母の雨美がさめざめと泣いて超局地的な大雨となった。父の晴夫が母を包容力ある温かな日差しで慰めるものの、兄の残したどんよりした大気と湿度は母の悲しみと共に梅雨前線のように停滞して、涙の雨を降らし続ける。だから私達は食卓に着きつつ傘をささなくてはならない。
「また職場の人と喧嘩して辞めてしまったらしいの。そのままどこかに雲隠れしちゃったって会社から電話があって」
豪雨となった母を私は慰められない。なぜなら2人の娘である私の名は雪絵。母の雨を夜更け過ぎに雪へと変えることしかできない。
台風爺ちゃんが雲介兄さんの腕を掴んで嵐の如く帰宅すると室内は暴風波浪状態に。母の降水確率がうなぎ登りとなる。
「心配かけた皆に謝れ!」
爺ちゃんの台風の目に睨まれ、兄が謝る。すると我が家には父の日差しが戻り、家族の心の空に七色の虹が架かった。
「また職場の人と喧嘩して辞めてしまったらしいの。そのままどこかに雲隠れしちゃったって会社から電話があって」
豪雨となった母を私は慰められない。なぜなら2人の娘である私の名は雪絵。母の雨を夜更け過ぎに雪へと変えることしかできない。
台風爺ちゃんが雲介兄さんの腕を掴んで嵐の如く帰宅すると室内は暴風波浪状態に。母の降水確率がうなぎ登りとなる。
「心配かけた皆に謝れ!」
爺ちゃんの台風の目に睨まれ、兄が謝る。すると我が家には父の日差しが戻り、家族の心の空に七色の虹が架かった。
ファンタジー
公開:20/04/11 09:14
更新:20/04/11 16:14
更新:20/04/11 16:14
〇〇家族
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隕石家族
空想と妄想が趣味です。
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