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 まただ。またうまくいかなかった。朝起きて、さっきまで見ていた夢を思い出す。
 わたしはどんなものでも盗み出す怪盗だった。そして彼はどんなトリックも暴き出す探偵だった。わたしの変装がばれ、危機一髪というところで目が覚めたのだ。
 その前はわたしが凄腕の検事、彼が期待のルーキー弁護士だった。
 そのまた前はわたしが世界を滅ぼす魔王、彼は世界を救う勇者だった。
 そしてその前はわたしが国家機密を盗み出すスパイ、彼が警察官だった。
 毎日、「好きな人が夢に出てくるおまじない」をしているのに。一体どうして、いい雰囲気になるどころか、宿命の対決を繰り広げてしまうのだろうか。
その他
公開:20/05/10 01:06
更新:20/05/10 01:08

ちる

小説を書くのが好きなので、登録してみました。
よろしくお願いいたします。

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