お守り会議

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私はお守り好き。神社に参拝に行くとついお守りを買ってしまう。
一年が過ぎたお守りを近所の神社でお焚き上げしてもらう前の晩、机の上にお守りを並べてベッドに入った。
真夜中になるとお守り袋の中から小さな神様達が現れて会議が始まった。
「去年一年、持ち主の運気を上げようと努めたものの良い成果は上げられませんでした。なぜだと思われますか?」
神様の一人が手を挙げる。
「はい、では縁結び担当の方」
「私は素敵な出逢いを演出しました。でも持ち主が臆病過ぎて」
続いて金運の神様が言う。
「私も宝くじが当たる金運を用意したのに持ち主がくじを買おうともしない」
「そもそもこんなに多くのお守りに頼ろうとすること自体、消極性の表れでは?」
神様達はいっせいに頷く。
狸寝入りをしていた私は耳が痛かった。そして私の運気を上げようと奮闘してくれた神様達に感謝するとともに今年こそは自らの手で幸運を掴み取ろうと決意した。
ファンタジー
公開:20/02/15 07:00
更新:20/02/14 12:43
おまもり ご利益 神様 話し合い

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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