お守りアプリ

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同級生の響子は神主の娘。プログラミングが趣味の彼女は「お守りもデジタル化の時代よ」とお守りアプリなるものを開発した。
「このアプリが不幸からあなたを守ってくれるわ」
早速スマホにダウンロードしてみた。恋愛運、金運、健康運などの項目の下には500の数字。
「何この数字?」
「それはあなたの今年一年分の総合運、通称ラッキーポイント」
見る間に数字が499に減って驚く私に響子が言う。
「運は使うと減るの。生きてるだけで運がいいんだから当然でしょ」
「なるほど」
「さらにポイントを各運勢に振り分けることで上げたい運気をカスタマイズできるわけ」
今年こそ素敵な恋人が欲しい私は恋愛運に全ラッキーポイントをつぎ込むことにした。
その帰り道、私は風邪をひき、財布を落とし、車に轢かれそうになった。
「これも恋愛運に全ての運をつぎ込んだせい?」
素敵な恋人に出逢うまであといくつの不幸が……考えるのはよそう。
ファンタジー
公開:20/02/10 21:00
更新:20/02/10 20:57
月の文学館 おまもり 朗読 大原さやかさん 月の音色 ラジオ

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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