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助手は小説研究所での仕事の傍ら何作か小説を執筆し、文学賞に応募したものの一次選考にすら通らなかった。そこで所長である博士に「良い小説とは何か?」を講義してもらうことにした。
博士の眼が鋭く光る。
「まず君に問う。君が小説を書く理由は何だ? 研究所の仕事をサボってまで」
「サボってやしません。サボりたいですけど。ええと、書く理由は有名になって、印税ガッポガポの生活がしたいからです」
「イラっとするが正直でよろしい。ではそのために何が必要だと考える?」
「いや、ですからその秘訣を博士からお聞かせ願えないかと」
「甘いわ! そんなクレクレ君だから一次選考も通らんのだ!」
博士が一冊の本を助手の前にバンと置いた。
「何ですかこの本?」
「S・キング著『書くことについて』。これを次回までに読んでくるように。話はそれからだ」
「ええっ! 今日は何も教えてくれないのですか?」
博士は部屋から出て行った。
博士の眼が鋭く光る。
「まず君に問う。君が小説を書く理由は何だ? 研究所の仕事をサボってまで」
「サボってやしません。サボりたいですけど。ええと、書く理由は有名になって、印税ガッポガポの生活がしたいからです」
「イラっとするが正直でよろしい。ではそのために何が必要だと考える?」
「いや、ですからその秘訣を博士からお聞かせ願えないかと」
「甘いわ! そんなクレクレ君だから一次選考も通らんのだ!」
博士が一冊の本を助手の前にバンと置いた。
「何ですかこの本?」
「S・キング著『書くことについて』。これを次回までに読んでくるように。話はそれからだ」
「ええっ! 今日は何も教えてくれないのですか?」
博士は部屋から出て行った。
その他
公開:20/02/01 06:00
更新:20/01/31 21:15
更新:20/01/31 21:15
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