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博士が研究室に入ってくると助手が嘆いた。
「また文学賞に応募して落ちたらどうしましょう? ショックで立ち直れそうにないです」
博士が笑って言う。
「受賞は時の運。応募者の大半が落選する。君だけが特別というわけじゃない」
「僕は選ばれたいんです! 有名になって印税で暮らすのが夢なんですから」
博士が助手を見つめた。
「何ですか?」
「良い物語を書くことは社会的に成功しなくてもできることだ。売れなきゃと焦る君はとても創作を楽しんでいるようには見えない」
「そう言えば…人から評価されたいと思いながら書くと辛くなって楽しくないかも」
「本来は物語を紡ぐこと自体が楽しかったはずなのに?」
助手は頷く。
「見返りを期待せず、純真な子供のように書くことを楽しむ姿勢が大切なんですね」
「それこそ、この講座を通して私が君に一番伝えたかったことだ」
「博士…ありがとうございました」
二人は固い握手を交わした。
「また文学賞に応募して落ちたらどうしましょう? ショックで立ち直れそうにないです」
博士が笑って言う。
「受賞は時の運。応募者の大半が落選する。君だけが特別というわけじゃない」
「僕は選ばれたいんです! 有名になって印税で暮らすのが夢なんですから」
博士が助手を見つめた。
「何ですか?」
「良い物語を書くことは社会的に成功しなくてもできることだ。売れなきゃと焦る君はとても創作を楽しんでいるようには見えない」
「そう言えば…人から評価されたいと思いながら書くと辛くなって楽しくないかも」
「本来は物語を紡ぐこと自体が楽しかったはずなのに?」
助手は頷く。
「見返りを期待せず、純真な子供のように書くことを楽しむ姿勢が大切なんですね」
「それこそ、この講座を通して私が君に一番伝えたかったことだ」
「博士…ありがとうございました」
二人は固い握手を交わした。
その他
公開:20/02/11 06:00
更新:20/02/01 14:41
更新:20/02/01 14:41
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空想と妄想が趣味です。
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