博士と助手の小説講座(4)アイデアの出し方

4
7

助手は研究室で博士を待つ間、前回作成した名詞と形容詞のカードをそれぞれトランプのようにシャッフルしていた。
博士がやって来ると満足げに頷く。
「実に感心だ。私が説明せずともカードの使い方がわかっておるらしい」
「え? 暇だったんでシャッフルしてただけですけど」
博士は溜息をつくと言う。
「とにかく今切ったカードから一枚ずつ取って並べなさい」
言われた通り助手がカードを並べる。2枚のカードには〈危ない〉と〈電卓〉という言葉が書かれていた。
「〈危ない電卓〉か。面白そうな題名ができた。どうだ、想像が膨らまんか?」
「確かに…これが作品の題名なら、ちょっと読んでみたいかも」
「これはショートショート作家の田丸雅智先生の創作法を応用したものだ」
「ああ、パクリですね」
「オマージュだ!」
「よーし、では〈危ない電卓〉を想像して作品を書いてみます!」
「楽しみにしているぞ」
博士は部屋を後にした。
その他
公開:20/02/04 06:00
更新:20/02/01 19:03
小説 書き方 講座 文学賞 ショートショート 博士と助手

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容