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天涯孤独の私は家族の愛に飢えていた。
ある日、ホームセンターに行くと、家庭菜園ならぬ「家族菜園」というコーナーをみつけた。商品棚には数種類の野菜の種が並べられている。そのパッケージをよく見るとアスパパラガス、タママネギ、アニンジン、ジャガイモウトという聞き慣れない野菜の名が記されていた。
店員がにこやかに言う。
「それは栽培家族の種です。栄養豊かな土ときれいな水、あとは日光で瞬く間に育ちます」
種を買って帰ると、早速庭に蒔いて水をやった。その翌日、土がボコボコと盛り上がると次々に栽培家族が現れた。肌が薄緑色という以外は人と変わらない。誰もが朗らかな理想の家族だった。しかも体の一部を収穫して食べることもできる。早速新鮮なうちに野菜カレーを作って食べた。はっとするほどおいしい。だが肉入りのカレーも食べたい。
「あら、肉ならここにあるじゃない」
そう言ってタママネギは私の胸に包丁を突き立てた。
ある日、ホームセンターに行くと、家庭菜園ならぬ「家族菜園」というコーナーをみつけた。商品棚には数種類の野菜の種が並べられている。そのパッケージをよく見るとアスパパラガス、タママネギ、アニンジン、ジャガイモウトという聞き慣れない野菜の名が記されていた。
店員がにこやかに言う。
「それは栽培家族の種です。栄養豊かな土ときれいな水、あとは日光で瞬く間に育ちます」
種を買って帰ると、早速庭に蒔いて水をやった。その翌日、土がボコボコと盛り上がると次々に栽培家族が現れた。肌が薄緑色という以外は人と変わらない。誰もが朗らかな理想の家族だった。しかも体の一部を収穫して食べることもできる。早速新鮮なうちに野菜カレーを作って食べた。はっとするほどおいしい。だが肉入りのカレーも食べたい。
「あら、肉ならここにあるじゃない」
そう言ってタママネギは私の胸に包丁を突き立てた。
ホラー
公開:20/04/08 00:00
更新:20/04/08 18:44
更新:20/04/08 18:44
〇〇家族
コンテスト
隕石家族
空想と妄想が趣味です。
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