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ウチのパパは魔王だ。もちろん、私達家族もこのファンタジー世界ではモンスターと蔑まれ、正義の勇者御一行に倒されるべき存在。でも、普段のパパは私達や配下のモンスター達にはとても優しい。どこの家庭にもいる家族思いのお父さんであり、民衆を大切にする良き王様なのに……。
私はいつも思う。正義と悪って、ひょっとして立場の違いに過ぎないんじゃないかって。だけど、私がいくらこんなことを叫んでも、世間は勇者を光、私達を闇にたとえ、徹底的に退治され、排除される対象として「悪」の烙印を我が家に押す。
「さて、そろそろ行くとするか……」
パパが邪神の剣を手に玉座から立ち上がる。勇者との最終決戦に赴くのだ。家族みんなの表情に緊張が走る。私達も一致団結して、何としてもこの城から勇者達を撃退しなくてはならない。
「パパ、気をつけてね」
私達家族はきつく抱き合った。これが家族で交わす最後の抱擁になるかもしれなかったから。
私はいつも思う。正義と悪って、ひょっとして立場の違いに過ぎないんじゃないかって。だけど、私がいくらこんなことを叫んでも、世間は勇者を光、私達を闇にたとえ、徹底的に退治され、排除される対象として「悪」の烙印を我が家に押す。
「さて、そろそろ行くとするか……」
パパが邪神の剣を手に玉座から立ち上がる。勇者との最終決戦に赴くのだ。家族みんなの表情に緊張が走る。私達も一致団結して、何としてもこの城から勇者達を撃退しなくてはならない。
「パパ、気をつけてね」
私達家族はきつく抱き合った。これが家族で交わす最後の抱擁になるかもしれなかったから。
ファンタジー
公開:20/04/04 14:34
〇〇家族
コンテスト
隕石家族
空想と妄想が趣味です。
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