時をかける家族

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タイムマシンを発明した私は原始時代へとタイムスリップして、野性味あふれる最高の男性と大恋愛の末、結婚した。愛さえあれば進化や時代の差なんて飛び越えられるものよ。やがて私達の間には可愛い2人の子供まで生まれた。
現代に帰って家族でピクニックを楽しんでいたとき、突如、私だけを残して夫と子供達が煙のように消えてしまった。
「まさか……」
地質研究所の過去の記録を調べると、夫の両親が当時暮らしていた村の近くで火山が噴火していた。想像した通り、過去が変わってしまっていた。
「私が過去にタイムトラベルして彼と出逢ったから……?」
研究室に帰るとタイムマシンに乗り込み、行き先を火山の噴火する3日前に設定した。何としても災害が起こる前に夫の両親を避難させなくてはならない。たとえまたこの行為によって歴史が変わってしまうとしても。
私はマシンを起動させる。
待っていてね、今、お母さんが皆を助けてみせるから。
SF
公開:20/04/02 20:26
更新:20/04/03 23:26
〇〇家族 コンテスト 隕石家族

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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