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私はとある喫茶店のマスター
珈琲一筋ン十年、生粋の珈琲人である
そのせいか、ここは知る人ぞ知る有名店だ
とはいえ、お店は混雑していない
いても大体、一人である
時折、覗くだけで店に入らず
踵を返していなくなってしまうような失礼な輩もいる
ん? それでなぜ有名店と言えるのかって?
それは、古くから存在する長寿店だからだ
長いというだけで、知名度も格も上がるというものだ
巷では、私の店の噂で持ちきりだそうだ
そら、今日も一人やってきた
私は顔を見るだけで、
お客様に合った珈琲を出すことができる
この方も何やら訳ありなご様子
こんな方こそ、究極ブレンド珈琲で
脳髄まで芳香に癒され、御身をほぐしていただこう!
お客様は湯気と香りに包まれ
ホゥっとため息をついた刹那、湯気の中に消えていった
やはり、彷徨える魂だったご様子
まだ湯気立つ珈琲を前に、
私はそっと手を合わせるのだった
珈琲一筋ン十年、生粋の珈琲人である
そのせいか、ここは知る人ぞ知る有名店だ
とはいえ、お店は混雑していない
いても大体、一人である
時折、覗くだけで店に入らず
踵を返していなくなってしまうような失礼な輩もいる
ん? それでなぜ有名店と言えるのかって?
それは、古くから存在する長寿店だからだ
長いというだけで、知名度も格も上がるというものだ
巷では、私の店の噂で持ちきりだそうだ
そら、今日も一人やってきた
私は顔を見るだけで、
お客様に合った珈琲を出すことができる
この方も何やら訳ありなご様子
こんな方こそ、究極ブレンド珈琲で
脳髄まで芳香に癒され、御身をほぐしていただこう!
お客様は湯気と香りに包まれ
ホゥっとため息をついた刹那、湯気の中に消えていった
やはり、彷徨える魂だったご様子
まだ湯気立つ珈琲を前に、
私はそっと手を合わせるのだった
その他
公開:20/03/06 21:21
#メトロ丸の内線
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)
さぁさ! もの語りをはじめよう
400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と
明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン
垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る
さぁさ! もの語りが始まるよ!
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