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まったく泳げないにもかかわらず、俺は親友の慎治と水泳で勝負することになった。勝った方が幼馴染の夏美に告ることができる。逃げるわけにはいかない。そこで俺は秘密兵器をネットで取り寄せた。その名もクロールケーキ。食べればカナヅチの俺でもクロールを泳げるようになる。
25mプール往復の一本勝負。プールサイドで水着姿の夏美が眩しく微笑む。彼女の吹くホイッスルを合図に俺達はほぼ同時に水中に飛び込んだ。
慎治はバタフライだった。豪快に水を掻き分けて進む。一方の俺はケーキの効果で魚のように水と一体になった。
俺はタッチの差で負けた。不正をしても勝てない俺の完敗だ。
夏美の労いの言葉が胸に刺さる。
慎治と並んで更衣室で着替えていると、あいつが突然口を押さえてトイレに駆け込んだ。足元にはバターフライの包み紙。そこには「過剰に摂取すると胸やけを起こすことがあります」とあった。
俺達の真の勝負は持ち越しになった。
25mプール往復の一本勝負。プールサイドで水着姿の夏美が眩しく微笑む。彼女の吹くホイッスルを合図に俺達はほぼ同時に水中に飛び込んだ。
慎治はバタフライだった。豪快に水を掻き分けて進む。一方の俺はケーキの効果で魚のように水と一体になった。
俺はタッチの差で負けた。不正をしても勝てない俺の完敗だ。
夏美の労いの言葉が胸に刺さる。
慎治と並んで更衣室で着替えていると、あいつが突然口を押さえてトイレに駆け込んだ。足元にはバターフライの包み紙。そこには「過剰に摂取すると胸やけを起こすことがあります」とあった。
俺達の真の勝負は持ち越しになった。
青春
公開:19/11/24 15:13
水泳
勝負
クロール
バタフライ
水着
告白
空想と妄想が趣味です。
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