7
7
妻は最近ずっと不機嫌だ。私が何を訊ねても返ってくる答えはいつも一緒。
「べつに……」
の一言だけ。
そこで私はとうとう決心した。
「今日は結婚記念日だし、二人でデートしないか?」
「べつに……」
妻は不貞腐れたように言うと私の後に渋々付いてきた。私達がお金のない学生時代によく行った大衆食堂へ妻を連れていく。
さて、何を食べようかと妻に訊ねると一言。
「もつ煮……」
彼女はこの店のもつ煮込みが好物だった。
食事を終えると、かつて二人でよく訪れた公園を散歩した。
ベンチに並んで座り、私はスマホを開くと新婚旅行で行ったドイツの写真を妻に見せて思い出を語った。妻は一言だけ返した。
「ベルリン……」
私はポケットから離婚届を出すと妻に見せて言った。
「もう君とは今日で、別離」
妻が驚いて言う。
「別に?」
泣いて謝る妻を私は抱きしめた。
情熱的な一夜を明かした翌朝、妻が私の耳元で囁く。
「絶倫……」
「べつに……」
の一言だけ。
そこで私はとうとう決心した。
「今日は結婚記念日だし、二人でデートしないか?」
「べつに……」
妻は不貞腐れたように言うと私の後に渋々付いてきた。私達がお金のない学生時代によく行った大衆食堂へ妻を連れていく。
さて、何を食べようかと妻に訊ねると一言。
「もつ煮……」
彼女はこの店のもつ煮込みが好物だった。
食事を終えると、かつて二人でよく訪れた公園を散歩した。
ベンチに並んで座り、私はスマホを開くと新婚旅行で行ったドイツの写真を妻に見せて思い出を語った。妻は一言だけ返した。
「ベルリン……」
私はポケットから離婚届を出すと妻に見せて言った。
「もう君とは今日で、別離」
妻が驚いて言う。
「別に?」
泣いて謝る妻を私は抱きしめた。
情熱的な一夜を明かした翌朝、妻が私の耳元で囁く。
「絶倫……」
恋愛
公開:19/11/20 12:00
別に
離婚
夫婦
結婚
生活
記念日
倦怠期
空想と妄想が趣味です。
ログインするとコメントを投稿できます