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会社の帰り道、明滅する街灯の下でスマホを拾った。電源を入れてみると直前まで開いていたらしい写真が出てきた。目を見開いて驚愕の表情を浮かべる男が画面の左隅にアップで写り、その右上には赤い服を着た女が立ってこちらを見ている。この路地を写したものだった。思わず背後を振り返ったが誰もいない。スマホを路上に放り出すと路地を走って帰った。
自宅に着くとテーブルの上に手にしたバッグを置き、電気を点けた。夕食の前に風呂に入った。浴槽から出て鏡の前に座ると髪を洗う。シャンプーが目に入るのを防ぐために目を瞑る。髪を洗い終わって目を開くと背後に赤い服の女が立っていた。瞬きする度に鏡の中の女は私へと近づいてきた。私は瞬きをやめて目を見開いた。瞬きさえしなければ女は近づいては来れない。直後に停電になった。女は私の口を押えて闇の奥へと引きずり込んだ。
女は瞬きに合わせて動いていたのではなく、闇の中を移動していたのだ。
自宅に着くとテーブルの上に手にしたバッグを置き、電気を点けた。夕食の前に風呂に入った。浴槽から出て鏡の前に座ると髪を洗う。シャンプーが目に入るのを防ぐために目を瞑る。髪を洗い終わって目を開くと背後に赤い服の女が立っていた。瞬きする度に鏡の中の女は私へと近づいてきた。私は瞬きをやめて目を見開いた。瞬きさえしなければ女は近づいては来れない。直後に停電になった。女は私の口を押えて闇の奥へと引きずり込んだ。
女は瞬きに合わせて動いていたのではなく、闇の中を移動していたのだ。
ホラー
公開:19/11/13 12:53
更新:19/11/13 12:56
更新:19/11/13 12:56
赤い服
女
幽霊
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空想と妄想が趣味です。
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