月にほえ〜る!

13
8

ある月の美しい夜、空の上では射手座が居眠りをしていました。その懐からペガサスの羽根ペンがこぼれ落ち、その下の岩場で竪琴を手に歌っていた人魚の頭に当たりました。
人魚は銀色に輝く羽根ペンを拾い上げました。いたずら好きな人魚は海に飛び込むと魚や貝、蛸達に次々と翼を描き加えていきました。描かれた翼は青い水を銀の糸で織り上げたように羽ばたき出します。翼の生えた生き物達は海から飛び上がり、クラゲ達が夜空を蛍のように揺蕩いました。
翼の生えたイルカ達のムーンサルト・ダンスの後には海面が大きく割れて、翼を広げたクジラが空へと泳ぎ出しました。
クジラは空を滑るように泳ぐと月に向かって不思議な声で吠えました。すると夜空を彩っていた海の生き物達の翼は泡になって弾け、いっせいに海へ落ちました。
最後にクジラが落ちるとその水しぶきが顔にかかって射手座が目を覚ましました。その懐に戻った羽根ペンがキラリと光りました。
ファンタジー
公開:20/01/17 07:00
羽根ペン クジラ 射手座

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容