恋の翼は風に乗って

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ふたりの男の子からラブレターをもらった。
どっちも興味がなかったけど、片思いの涼介の気持ちを確かめたくて私は彼を通学路にある河原に呼び出した。そして二通のラブレターを紙飛行機に折ると彼に言った。
「遠くに飛んだ方と付き合うことにする」
「ひでー女。青少年の恋心を弄ぶなんて」
その言葉を無視して私は紙飛行機を構える。
「じゃ、俺行くわ」
涼介が階段を駆け上がる。
「ちょっ、興味ないの? 私がどっちと付き合うか」
「別に。じゃな」
夕空を背に涼介が手を振る。
私は落胆して手を振り返す余裕もない。
涼介は橋の上でふと立ち止まると、鞄からノートを取り出して何かを書き、破り取ると紙飛行機にして放った。それは川面を滑るように飛んで、私の足元に着陸した。
拾い上げて中を開くと「月が綺麗ですね」と書かれていた。
「何これ?」
「ばーか、漱石、月でググれ」
スマホで検索した瞬間、私の背中に恋の翼が生えた。
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公開:20/01/14 07:00
紙飛行機 ラブレター 思春期

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。
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