『鬼手山伝説』

7
7

この世に人が生まれ出ずるより遥か昔の話。神も妖怪も境がなく、世界が自然の力で混沌としていた時代。
後に日本と呼ばれる土地に禍つ星が落ちようとしていた。
自然の力は一つの大岩を風で削り、雷で力を与え、一匹の巨大な鬼を創り上げた。鬼に禍つ星を受け止めさせようとしたのだ。
鬼は両手を天に掲げ、星を迎え撃つ。
しかし、星の力は強大だった。鬼の両脚は折れ、左腕は砕け散った。
残った右腕だけでは力及ばず、鬼はどうと地に倒れた。

星は、命の種を含んでいた。
自然だけの混沌世界に命という新しい力が加わった。
命は増え、地に満ち、それは今でも続いている。

倒れた鬼の身体はのちに山となった。その山のふもとの大きな手の形をした集落には、真ん中に鬼が星を受け止めた跡がある。
そこは、新種生物の宝庫として、生物学者達にはよく知られている。
SF
公開:20/01/04 13:52
更新:20/01/20 16:08
手の中のクレーター スクー

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容