四季殺人事件 〜そして誰もいなくなった〜
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ある日、冬美が殺された。死因は何者かに鋭利な凶器で引き裂かれたことによるショック死。名探偵である私は早速現場に急行した。
「この中に犯人がいます」
現場にいた春子、夏男、秋成を見渡すと私は断言した。誰もが互いの顔を見合わせる。
「犯人はあなたです!」
私は夏男を指差した。
「お、俺じゃない!」
「あなたは灼熱の太陽の刃で冬美さんの体を引き裂いた。あなたの他には誰も彼女の体を包む冷気を切り裂くことはできない」
「違う! 俺は何も!」
現場にいた刑事達が夏男を連行し、事件は一件落着。
……したように見えた。
だが真犯人は他にいる。それは何を隠そうこの私だ。暦に則り季節の終わりと共にその存在を消去するのが私の仕事。そう、私の名はカレンダー。そしてもう一人、この事件には共犯者がいる。
それはカレンダーである私を月ごとに引き裂いて捨て、新年と共に私自身をも遺棄して完全犯罪をはかる、あなた自身だ。
「この中に犯人がいます」
現場にいた春子、夏男、秋成を見渡すと私は断言した。誰もが互いの顔を見合わせる。
「犯人はあなたです!」
私は夏男を指差した。
「お、俺じゃない!」
「あなたは灼熱の太陽の刃で冬美さんの体を引き裂いた。あなたの他には誰も彼女の体を包む冷気を切り裂くことはできない」
「違う! 俺は何も!」
現場にいた刑事達が夏男を連行し、事件は一件落着。
……したように見えた。
だが真犯人は他にいる。それは何を隠そうこの私だ。暦に則り季節の終わりと共にその存在を消去するのが私の仕事。そう、私の名はカレンダー。そしてもう一人、この事件には共犯者がいる。
それはカレンダーである私を月ごとに引き裂いて捨て、新年と共に私自身をも遺棄して完全犯罪をはかる、あなた自身だ。
ミステリー・推理
公開:19/12/31 08:12
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空想と妄想が趣味です。
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