猫スプレー
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私は猫スプレーを発明した。傍にあった冷蔵庫にスプレーを噴射する。たちまち冷蔵庫は煙に包まれ白猫に姿を変えた。そのおなかにある取っ手を掴んで開けると中は確かに冷蔵庫だった。実験成功らしい。
さらにピアノの傍にやってくるとスプレーを噴射する。煙はピアノではなく譜面台の上の楽譜にかかった。すると音符が「猫踏んじゃった」を奏でながら次々と黒猫になって飛び出した。
面白くなった私は庭に出て花壇にスプレーを吹きかけた。花々が色とりどりの猫に変わって香りを放ちながら転がり回る。
不意に雨が降ってきた。私は空へむかってスプレーを噴射した。雨粒が仔猫に変わってぽんぽん空から落ちてくる。雨が上がると、夕空に浮かぶ雲が蜜柑色の猫になって寝そべった。ふと思いついて地面にスプレーを噴射する。途端に大地が盛り上がり、私は地球猫の背に乗っていた。地球猫がナーゴと鳴くとその吐息が星にかかり、宇宙に無数の光の猫が漂った。
さらにピアノの傍にやってくるとスプレーを噴射する。煙はピアノではなく譜面台の上の楽譜にかかった。すると音符が「猫踏んじゃった」を奏でながら次々と黒猫になって飛び出した。
面白くなった私は庭に出て花壇にスプレーを吹きかけた。花々が色とりどりの猫に変わって香りを放ちながら転がり回る。
不意に雨が降ってきた。私は空へむかってスプレーを噴射した。雨粒が仔猫に変わってぽんぽん空から落ちてくる。雨が上がると、夕空に浮かぶ雲が蜜柑色の猫になって寝そべった。ふと思いついて地面にスプレーを噴射する。途端に大地が盛り上がり、私は地球猫の背に乗っていた。地球猫がナーゴと鳴くとその吐息が星にかかり、宇宙に無数の光の猫が漂った。
SF
公開:19/12/23 12:25
猫と煙
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空想と妄想が趣味です。
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