猫のパン屋とケムリ猫

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とある街に猫のパン屋がありました。パン職人の猫達はとても働き者。毎朝早くから起き出してせっせとパンを焼きます。パン屋の煙突にはケムリ猫が住んでいました。ケムリ猫の仕事は焼きあがったパンの良い香りを風に乗って街に届けること。でもケムリ猫にはパンが作れません。だからケムリ猫は自分が皆の役に立っていないような気がしていました。
ある日、お店にウサギが訪れました。おなかを空かせている様子だったので猫達は焼きたてのパンをあげました。ウサギは夢中になって食べた後で泣きながら言いました。
「夜のワニに月を食べられておうちに帰れなくなってしまったの」
猫達は早速大きな丸いメロンパンを焼きました。それをケムリ猫に頼んでウサギと一緒に夜空に持ち上げてもらうことにしたのです。
夜空の彼方でメロンパンは黄色に輝いて満月になり、ウサギは大喜び。ケムリ猫は少し得意になって月のメロンパンの傍に雲となって寝そべりました。
ファンタジー
公開:19/12/17 06:00
更新:19/12/17 08:37
月の音色 月の文学館 新人賞 144 猫と煙 大原さやかさん 朗読 ラジオ 音泉

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。
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